新着情報

2025年4月28日

4/24(木) 日本遺産認定10周年記念講演レポート

「近世日本の教育遺産群」日本遺産登録10周年記念講演

世界を驚かせた高い識字率や、身分を問わない多様な学びの形「近世日本の教育遺産群」が

令和7年4月24日(木)、日本遺産に登録されて10周年を迎えました。

同日、茨城県水戸市の弘道館の正庁にて記念講演が開かれました。

「江戸時代の教育と現代-水戸藩の事例から考える-」

講師:鈴木瑛一(茨城大学名誉教授)

記念講演「江戸時代の教育と現代ー水戸藩の事例から考えるー」講演中の写真

 

講演では、私塾や寺子屋など、民間主導で教育が展開された江戸時代後期を教育爆発の時代とし、

当時の日本を訪れた欧米人の感想や、

日本最大規模の藩校「弘道館」が作られる前の水戸藩の教育について紹介しました。

また、学校だけではなく家庭でも勉学を教えていた当時の家庭環境や、

約1200年の時空を超えて伝えられる「防人の歌」や

現代の教育制度ができる前の日本人のリテラシーの高さにも触れ、

近世日本の教育のレベルの高さに気づくと同時に、

現代ではあまり触れられない素読や古典の大切さを実感する講演となりました。

 

ミニ講座「近世日本の教育遺産群について」

講師:藤尾隆志(水戸市歴史文化財課)

ミニ講座「近世日本の教育遺産群について~世界遺産と日本遺産~」講演中の写真

ミニ講座では、意外と知らない世界遺産と日本遺産の違いを解説しました。

貴重な文化財を保護・保存する事を目的とした世界遺産と、

日本各地に伝わる文化や伝統をストーリーとして登録し、発信・活用を目的とする日本遺産。

双方を推進する当協議会の活動についてもご紹介しました。

また、「近世日本の教育遺産群」に登録されているいろいろな教育遺産の事も学べる機会となりました。

 

 

おまけ

弘道館記実寸大拓本の写真

今回の講座に合わせ、「弘道館記」の実寸大拓本が公開されました。

(通常時に展示されているのは縮小されたものです。)