2020年10月21日
〈日田市〉令和2年度 公開講座「日本遺産を歩く」第2講の報告
令和2年9月24日(木)にアオーゼにて、公開講座「日本遺産を歩く」の第2講を開催しました。演題は、<米作り、二千年にわたる大地の記憶 ~菊池川流域「今昔『水稲』物語」~>で、講師は、玉名市教育委員会文化課の 大倉 千寿 様でした。
今回紹介された日本遺産は、平成29年度に 熊本県の山鹿市、玉名市、菊池市、和水町 3市1町のシリアル型として「日本遺産」に認定されました。
認定された日本遺産のストーリーの概要は、以下のとおりです。
「菊池川流域には、二千年にわたる米作りによる大地の記憶が残っている。平地には古代から受け継がれた条里、山間には高地での米作りを可能にした井手(用水路)と棚田、そして海辺には広大な耕作地を生み出した干拓。米作りを支えた先人たちによる土地利用の広がりが、今も姿を留め、その全てをコンパクトに見ることができる。
更に賑やかな祭りや豊かな食という無形の文化も息づくなど、菊池川流域は古代から現代までの日本の米作り文化の縮図であり、その文化的景観や米作りがもたらした芸能・食文化に出会える稀有な場所なのである。」
菊池川流域では、米作りが本格化した時代から現代のコメ作りに至るまでの歴史と、その過程の中で育まれた多様な文化に触れることができ、特に米作りの富により繁栄した装飾古墳群は、チブサン古墳群をはじめ流域で117基を数え、国内一の密度を誇っていると講師から紹介されました。
ご講演を聞くことで、米作りへの人々の営みと息遣いが感じられ、豊かな米でもたらされた文化・街並み、四季折々の美しい田園風景を堪能(たんのう)することができました。
日本遺産認定ガイドを配置しているとのことで、是非、現地で説明を受けたいと思える講演でした。