2020年5月7日
(教育遺産群のみどころ)江戸時代の風情と伝統が息づく水戸城跡周辺地区
教育遺産群のなかで、大日本史を編纂した水戸彰考館、そして水戸藩の藩校だった弘道館はいずれも水戸城のなかに整備されました。
水戸藩第2代藩主徳川光圀は、歴史書の編纂のために二の丸に水戸彰考館を創設しました。彰考館には多くの学者が集い、水戸の学問の興隆の礎になりました。さらに、1841(天保12)年には、第9代藩主徳川斉昭が三の丸に藩校弘道館を創設して、水戸藩の文武がますます盛んになりました。
1945(昭和20)年の空襲によって、水戸城周辺も甚大な被害を受けましたが、弘道館ほか、江戸時代の土塁、堀などが残り、城郭や藩校としての風情が残されています。現在、水戸城跡には小学校、中学校、高等学校など多くの教育機関が立地し、文教地区となっています。また、弘道館に隣接する水戸東武館では、今も弘道館の授業であった北辰一刀流を学ぶことができます。水戸城周辺には現代まで文武の伝統が継承されています。
2020(令和2)年、水戸城のシンボルともいえる水戸城大手門が復元されました。2021(令和3)年の初春には二の丸角櫓も復元され、歴史的景観が大きく向上します。新型コロナウイルスが収束し、自由に観光できるようになったあかつきには、是非水戸にお越しください。